スピン・エレクトロニクスグループ
マグノニクス

ナノ構造磁性材料や磁気現象などのスピン工学分野を中核にして、光や高周波電磁界、超音波や熱、電子伝導などとの協調現象を巧みに利用した基礎から応用にわたる研究を行っています。

1次元磁性フォトニック結晶

 異なる屈折率を持つ2種類以上の材料が光の波長スケールで周期的に配列された構造物は フォトニック結晶(PC: Photonic Crystal)と呼ばれています。フォトニック結晶は、

  • 固体結晶中において電子の存在を許さないバンドギャップが存在することと同様に、フォトンの存在を許さないバンドギャップ (フォトニックバンドギャップ)を発現する
  • バンド端波長の光の群速度が低下する

 などの特徴を有しています。 フォトニック結晶に磁性材料を使用したものを磁性フォト ニック結晶(MPC: Magnetophotonic crystal)と呼びます。誘電体多層膜で磁性体を挟んだ 構造をしています(Fig.1)。この欠陥層によりフォトニックバンドギャップ内に局在モード が発現します。この現象に起因し、磁性フォトニック結晶(MPC)は、

  • 高い透過率を有しつつ磁気光学効果を増大する
  • 磁化誘起第二高調波発生(MSHG)を生じる
  • 光の磁界制御が可能になる

 などの特徴を有しています。   実際、欠陥層に透明な磁性体であるBi:YIGを用いた構造の作製、評価を行った結果、 高い透過率を有しつつ単層膜の約10倍という大きなファラデー回転角の増大を本研究室 で初めて確認しました(Fig.2)。

Fig.1 1次元磁性フォトニック結晶の断面写真。
波長720nmで局在モードが発生するよう構造が設計してあります。1層の膜厚は数百nmです。
Fig.2 1次元磁性フォトニック結晶の透過率・ファラデー回転角スペクトル。
高い透過率を有しつつ、磁気光学効果の増大が確認できます。